
二重否定の使い方
二重否定とは、1つの文の中で否定する言葉を2回使うことです。
否定の否定ですので、つまり肯定の文になります。
二重否定はよく見かけますが、
読み手にとってはまぎらわしく、読みづらいものです。
WEBライティングにおいては、
シンプルな表現を心がけるのが基本ですので、
できるだけ二重否定を使わないようにしましょう。
× この商品は、返品できないわけではありません。 ○ この商品は、返品できます。
二重否定は、曖昧な表現を好む日本語ではよく用いられ、
断言することが難しい場合に使われます。
断言することに不安があるなら、
言い切った後に説明をつけ足すと良いでしょう。
この商品は、返品できます。 ただし、商品到着後一週間以内までとなります。
場合によっては二重否定を効果的に使って、
文章に深い意味を持たせることもありますので、
必ずしも使えないわけではありません。
本当に必要な時だけに絞って用いるようにし、
多用はしないようにしてください。

「ら抜き言葉」と「さ入れ言葉」に注意する
ら抜き言葉
ら抜き言葉とは、可能の意味の言葉から、
「ら」を抜いた言葉のことです。
ら抜き言葉の例:来れる、食べれる、見れる
正しい使い方:来られる、食べられる、見られる
ら抜き言葉は、話し言葉ではよく使われますが、
改まった場や、書き言葉ではほとんど用いられていません。
共通語としては、現時点では「誤り」とされていますので、
WEBライティングでも避けた方が良いでしょう。
さ入れ言葉
さ入れ言葉とは、不要なところに「さ」を入れてしまう、
文法としては誤用の表現です。
さ入れ言葉の例:行かさせていただく、読まさせていただく、走らさせていただく
正しい使い方:行かせていただく、読ませていただく、走らせていただく
行く、読む、走るなどは、五段活用動詞ですが、
五段活用動詞(※)には「さ」を入れないことを覚えておきましょう。
(※)否定形(ない形)にした時、「ない」の前の母音が「あ」の動詞。
行く→行かない、読む→読まない
この表現は、丁寧に言おうとして誤用されることが多いです。
話し言葉では気がつかないうちに使っていることも多いのですが、
ライティングでは誤用しないように注意してください。
句読点の使い方
読点
ライティングする際、
読点を効果的に使うと読みやすい文章になります。
読点(、)を打つのは、
意味の切れ目や、誤読されやすいところなどです。
次の表にポイントをまとめましたので、
参考にしてください。
| 読点を打つポイント | 例文 |
| 接続詞の後 | 彼は彼女にプレゼントを渡した。しかし、彼女は受け取らなかった。 |
| 修飾語と被修飾語の誤読を防ぐ | とても美しい、ドレスを着た少女がいる。 とても美しいドレスを着た、少女がいる。 |
| 長い主語の後 | 赤いドレスを着た少女は、階段をかけ下りていった。 |
| 重文、復文の区切り | 重文)私は昼食を摂ったが、彼は仕事をしていた。 |
読点が多すぎると、逆に読みづらくなってしまいます。
そのような時には、1つの文を2つに分けて書きましょう。
句点
句点(。)については、そこまで難しいルールはありませんが、
次のポイントに注意してください。
| 句点を打つポイント | 例文 |
| 感嘆符(!)や疑問符(?)の後には不要 | いったいどうしたら良いのでしょうか? |
| カッコ「」の末尾には不要 | 彼は「しまった」とつぶやいた。 |
| カッコ()の後に打つ | 私は毎日、父の手伝いをしている(大したことはしていないが)。 |
| カッコ()の前に打つ | 信仰なき科学は不完全だ。科学なき信仰は盲目だ。(アルベルト・アインシュタイン) |
3回に渡って、
ライティングの基本ルールについて解説しました。
知らず知らずのうちに誤用してしまっていることも多いので、
ライティングをする時には基本に戻って、
これらのルールをしっかりと守りましょう。
次のページでは、テンポの良い文章を作るコツを学びます。