Lesson3-3 ライティングの基本ルール③

二重否定の使い方

二重否定とは、1つの文の中で否定する言葉を2回使うことです。

否定の否定ですので、つまり肯定の文になります。

二重否定はよく見かけますが、
読み手にとってはまぎらわしく、読みづらいものです。

WEBライティングにおいては、
シンプルな表現を心がけるのが基本ですので、
できるだけ二重否定を使わないようにしましょう。

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二重否定は、曖昧な表現を好む日本語ではよく用いられ、
断言することが難しい場合に使われます。

断言することに不安があるなら、
言い切った後に説明をつけ足すと良いでしょう。

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ただし、商品到着後一週間以内までとなります。

場合によっては二重否定を効果的に使って、
文章に深い意味を持たせることもありますので、
必ずしも使えないわけではありません。

本当に必要な時だけに絞って用いるようにし、
多用はしないようにしてください。

「ら抜き言葉」と「さ入れ言葉」に注意する

ら抜き言葉

ら抜き言葉とは、可能の意味の言葉から、
「ら」を抜いた言葉のことです。

ら抜き言葉の例:来れる、食べれる、見れる
正しい使い方:来られる、食べられる、見られる

ら抜き言葉は、話し言葉ではよく使われますが、
改まった場や、書き言葉ではほとんど用いられていません。

共通語としては、現時点では「誤り」とされていますので、
WEBライティングでも避けた方が良いでしょう。

さ入れ言葉

さ入れ言葉とは、不要なところに「さ」を入れてしまう、
文法としては誤用の表現です。

さ入れ言葉の例:行かさせていただく、読まさせていただく、走らさせていただく
正しい使い方:行かせていただく、読ませていただく、走らせていただく

行く、読む、走るなどは、五段活用動詞ですが、
五段活用動詞(※)には「さ」を入れないことを覚えておきましょう。

(※)否定形(ない形)にした時、「ない」の前の母音が「あ」の動詞。
行く→行ない、読む→読ない

この表現は、丁寧に言おうとして誤用されることが多いです。

話し言葉では気がつかないうちに使っていることも多いのですが、
ライティングでは誤用しないように注意してください。

句読点の使い方

読点

ライティングする際、
読点を効果的に使うと読みやすい文章になります。

読点(、)を打つのは、
意味の切れ目や、誤読されやすいところ
などです。

次の表にポイントをまとめましたので、
参考にしてください。

読点を打つポイント例文
接続詞の後彼は彼女にプレゼントを渡した。しかし、彼女は受け取らなかった。
修飾語と被修飾語の誤読を防ぐとても美しい、ドレスを着た少女がいる。
とても美しいドレスを着た、少女がいる。
長い主語の後赤いドレスを着た少女は、階段をかけ下りていった。
重文、復文の区切り重文)私は昼食を摂ったが、彼は仕事をしていた。

読点が多すぎると、逆に読みづらくなってしまいます。

そのような時には、1つの文を2つに分けて書きましょう。

句点

句点(。)については、そこまで難しいルールはありませんが、
次のポイントに注意してください。

句点を打つポイント例文
感嘆符(!)や疑問符(?)の後には不要いったいどうしたら良いのでしょうか?
カッコ「」の末尾には不要彼は「しまった」とつぶやいた。
カッコ()の後に打つ私は毎日、父の手伝いをしている(大したことはしていないが)。
カッコ()の前に打つ信仰なき科学は不完全だ。科学なき信仰は盲目だ。(アルベルト・アインシュタイン)

3回に渡って、
ライティングの基本ルールについて解説しました。

知らず知らずのうちに誤用してしまっていることも多いので、
ライティングをする時には基本に戻って、
これらのルールをしっかりと守りましょう。

次のページでは、テンポの良い文章を作るコツを学びます。